山形県新庄市の昭和地区は、新庄盆地の西北にある農村集落です。 

北に美しく広がる鳥海山は、出羽富士と呼ばれ、春の夕暮れ時は絶景です。

東に大きく広がる神室山は、厳しい冬の雪が地下水となり、豊かな実りをもたらしてくれます。

昭和初期、祖父母が入植し、昭和の郷を拓きました。荒野の開拓は厳しかったものの、家族経営農業に夢を抱き、一所懸命、鍬を握ってきました。

父母の時代には高度経済成長と共に水田へと転換し、それを私達が受け継いでいます。

田畑と向き合う中、単一作物だけが栄えるモノカルチャーに違和感を感じ、雑草も虫も共生する農業が出来ないかと、有機農業に取り組むようになりました。その中で気がついたことは、「根っこ」の大切さです。良い根が良い葉を作り、良い葉が良い根を作り、その巡りが良い実りをもたらす事です。

土の状態を調え、農薬に頼らないことにより、良い根っこが育ち、作物が健康に育ち、健康な米・野菜となり、食べる人の健康へと繋がるのです。それこそが、私達の目指す有機農業です。

人は、一粒たりとも自分の力で米を造ることは出来ません。米を造るのは、種の生命力であり、自然環境の力であり、根っこの発する力です。

その力が最大限に発揮できるようお手伝いする事が、農家の仕事だと思っています。